土地評価では必ず三角スケールをあてる

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税理士が相続税を計算する際の論点として「財産評価」というものがあります。

※要は、その財産がいくらになるかを計算することです。

同じ財産でも、税理士によって計算結果が異なる事があります。
その最たるものが「土地評価」です。

土地評価を行う際には、土地の大きさ(各辺の長さ)を測ることになります。
その際は「三角スケール」を使うと便利です。

今回は「三角スケール」について考えてみました。

※10年くらい使っている三角スケール。

三角スケールとは、どのようなものか?

三角スケールとは、設計図面、建築図面、土地図面といった図面の長さを測る文房具です。

税理士が土地評価をする際は、このように図面(公図、測量図、住宅地図等)にあてて使います。

この写真では、三角スケールの「1/250」の部分をあてて、長さを測っています。

三角スケールを使ったことがある方なら分かるのですが、三角スケールは普通の定規とは違って平らではなく三角形になっていて、ころがすとそれぞれ違う縮尺が現れます。

※上から見ると、こんな感じになっています。

私が使っている三角スケールは、次のようなものです。
※私はだいぶ前に買いましたが、現在も、ほぼ同じモデルが発売されています。

ちなみに、15㎝モデルがベストだと思います。
(30㎝だと長すぎますので)

この三角スケールには、次の縮尺が刻印されています。

  • 1/100
  • 1/200
  • 1/300
  • 1/250
  • 1/500
  • 1/600

そして、公図や測量図にも、縮尺が記載されています。

多くの測量図は「1/250」です。

ですので、まずはその図面の縮尺を確認し、その縮尺と同じ面の三角スケールをあて、長さを測ることになります。

三角スケールで事前に見当をつけてから調査する

測量図は(当たり前ですが)きちんと測量していますから、三角スケールで計れば、当然長さは合います。

ですが、測量図がない場合は、どうすればいいのでしょうか?

この場合、「今ある資料(公図、住宅地図等)+三角スケール+現地での簡易調査」の3つで対応することになります。

例えば、公図をもとに評価する場合、まずは公図の縮尺を確認します。

この公図は「1/600」となっていました。
そして、公図に三角スケールの「1/600」面をあてて、その土地の各辺のだいたいの長さを確認し、公図に書き込んでおきます。

そして、現地調査で、次のような計測器具を使って簡易調査します。
※計れる部分は限られますが・・・。

※ウオーキングメジャー(通称「コロコロ」)

こちらを道路にコロコロあてて、間口距離等を測定することになります。

※レーザー計測器

敷地内の庭で、雑草や庭石等がある場合、コロコロでは対応できないので、レーザー計測器を使う場合もあります。
※ただし、雨のときや、遠すぎるときは、レーザーが届かないので、計るのが難しいときがありますが。

※マグネシウムメジャー

ウオーキングメジャーや、レーザー計測器で計れない部分があることもありますから、普通のメジャーも必要になるかもしれません。

また、そもそも、これら計測器で計れない場所もあります。
例えば、私道奥にあるご自宅の間口、奥行距離などです。

これらは、その評価対象地(被相続人が持っていた土地)について、その相続人の許可を頂いていても、あんまり長く居ますと、周辺の人から怪しまれます(^^)

※「あなた、何してるの?」みたいな感じで怪しまれます(^_^)

そんな場合は、短時間で終わらせるために、側溝を一つだけ計って、あとは側溝の数を数えて長さを出す、といった方法もあります。

※側溝とは、このようなものです。

土地評価で三角スケールは必須

三角スケールの必要性を確認してきました。

三角スケールで事前に見当(見込み)をつけておけば、現地調査、役所調査もはかどりますので、オススメです。

以前、私が駆け出しのころ、三角スケールという存在を知らず、普通の定規で計算していたときがありました。

※例えば「この公図は1/600で、定規で測ったら1.5㎝だから、9メートルか?」といったようにです。

三角スケールは、他の業種の方(土地家屋調査士先生、設計士先生、不動産屋の営業マン)も持っています。

値段も安いので、相続税計算をされる方でお持ちでない税理士先生は、これを機に買われてみてはいかがでしょうか?
壊れないので、一生使えますし、何より土地評価の間違いを減らせますので。

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