税理士として開業して、もうすぐ7年が経とうとしています。
これから税理士として開業する人、また、税理士業以外でも、開業を考えている方もいらっしゃるでしょう。
オフィス探しについて、少し、考えてみました。
※約7年ほどまえに、不動産屋さんと一緒に、物件回りをしている写真。
良いオフィス物件を借りるためには?
税理士業に限りませんが、開業時(独立時)に、新規にオフィスを借りようとする方も多いでしょう。
私なりに、次がポイントだと思っています。
親身で若い不動産屋さんに出会うこと
これは、かなり前かららしいのですが。
貸し出している(募集している)オフィス物件、店舗物件に関しては、不動産屋さんのインターネット共通データベースで、どの不動産屋さんも、同じ情報が取れるようになっています。
※ただし、非公開物件を除きます。
ですので、街の年配の社長さんがやっている不動産屋さん、大手の若手社員がたくさんいる不動産屋さんでも、ほぼ同じ物件情報を取れるわけです。
また、不動産屋さんは(あまり大きな声では言えませんが)小規模オフィス、大規模オフィスの仲介をする際には、そんなに難しい知識が必要ないことが多いです。
※現に、宅建試験を合格されなくても(何年も受験しているのに合格できなくても(^^))、バリバリ稼いでいらっしゃる営業マンさんは、いらっしゃいます。
そのため、不動産屋さんの担当者様に求められ条件は、次のとおりだと思っています。
- 高齢すぎないこと
- 親身になってくれること
不動産業者によっては、短期間(数日間)で、多くの物件を見たいと伝えれば、次のような「物件所在地一覧表」を作ってくれることがあります。
これをもとに、不動産業者さんは、物件の内見(中を見ること)の段取りをつけてくれる訳です。
オフィス物件、店舗物件を探す際には、原則として、「こちら側(借りる側)」と「相手側(貸す側)」の2人の不動産業者さんが立ち会います。
物件の鍵は、相手側(物件を所有している側の不動産屋さん)が持っていて、約束の時間に行くと鍵を開けてくれて、3人(自分+こちら側の不動産屋さん+相手側の不動産屋さん)が立ち会うことになります。
この日程調整、時間調整、段取り調整は、結構大変だと思いますし、ご高齢の不動産屋さんですと、なかなか短期間で全物件を回りきれないですよね。そういう意味で、ある程度は若い方の方が良いと思います。
※現に、私と不動産屋さんとの2人で、自転車で物件巡りをしました。
また、親身であることも大切な条件です。
私が物件を借りる際、どこの不動産屋さんにお願いするか、正直、迷っていました。
そんなとき、私のお客様に相談すると、
「石橋さん、どこで開業するの?あ、あの辺りなら、親身でガッツのある、不動産屋の担当者知ってるから、紹介するよ~」
と、年配の社長様からご紹介頂き、そちらの方にお願いしました。
※結果、大正解でした!ありがとうございます(^^)
私も仕事がら、色々な不動産屋さんとお知り合いになるのですが、海千山千の世界なので、まあ、色々な方がいらっしゃいます。
ですが、そのなかにも、真面目で親身になってくださる方はいらっしゃいます。
これから開業をお考えの方は、事前に、真面目な不動産屋さん(オフィスの賃貸物件の仲介をしている不動産屋さん)と、お知り合いになっておく必要があると思います。
物件情報の見方
物件の場所、家賃、入居希望日といった条件を、不動産屋さんにお伝えすると、このような物件情報を書いた紙をくださいます。
オフィス物件は、インターネットで家賃が非公開のことも多いため、不動産屋さんから、この案内用紙をもらわないと、具体的な条件(実際の家賃、契約機関等)が分かりません。
この案内用紙をもらったら、次の項目をチェックしてみてください。
- 家賃総額はいくらか?
- 管理料は別途かかるのか?
- 更新料はいくらか?何年ごとか?
- 通常の賃貸借契約か?
(ビル建替え予定で定期借家ではないか?) - 間取りはどれくらいか?
- 駅からどれくらいか?
不動産屋さんからは、物件比較のため、このような紙を何枚ももらいますので、迷ってしまいますが、ある程度絞ったら、次は実際に、物件を見に行くことになります。
物件を見に行く際の注意点
内見したい物件が決まりましたら、冒頭の写真のように、不動産屋さんと一緒に、実際に見に行くことになります。
ここでは、次のものを持って行ってください。
- 物件の案内紙と筆記用具
実際の間取り、物件の印象を書き込むため - メジャー
寸法を測るために必要です。 - スマホ
物件の中、外の写真を撮るために必要です。
メジャーは何でも良いと思いますが、私はマグネシウムメジャーを使っています。
さびなくて、柔らかい手触りで、お薦めです。
また、物件の中、外、入口の写真を、こまめに撮っておく必要があります。
※必要なら、動画も撮った方が良いと思います。
ただし、注意点としては、必ず、相手側の不動産屋さん(物件を所有している側の不動産屋さん)に、
「写真を撮っても良いですか?」
と、一声かけて許可を頂いてから、撮るようにしましょう。
そして、メジャーで寸法を測ったら、案内用紙に、赤字で実際の寸法を書き込むといいでしょう。
※案内用紙に寸法が書いてないことが多いため。
また、物件の印象(入口が汚いが内装はキレイといったようにです)を書き込むと、後で検討するときの材料になります。
物件を見た後の注意点
複数の物件を内見した後は、実際に物件の申し込みをすることになります。
ここでの注意点は、2つあると思います。
- 間取りは、できれば正方形に近い方が良い
- 家賃交渉等は不動産屋さんを信頼して、ある程度任せる
最初は小規模オフィスで開業される方も多いと思いますが、その場合、同じ10坪でも、長方形(縦長)と、正方形(真四角)では、オフィス家具の配置が、まるで違います。
私も、現在のオフィスに決めたのが、不動産屋さんからの次の一言でした。
「同じ坪数でも、正方形の方が、後々ラクになりますよ!」
これは、実感として感じています。オフィス用の棚、応接テーブル、これらを配置するのも、長方形ですと、購入家具の寸法で置けないですが、正方形であれば、自由にレイアウトを組むことができます。
また、家賃交渉も、ある程度、不動産屋さんに任せるべきかと思います。
私は、
「どうしても借りたい物件なので、家賃の値下げ交渉をしなくても良いですよ。大家さんの心象が悪くなると借りられないので・・・」
とお伝えしたら、
「石橋さん、大丈夫ですよ。とりあえず、少し下げると言ってみますから!その辺りはお任せ頂けますか?」
とのことで、お任せしたら、上手く借りることができました。
※値下げできたかは、ここでは公表しません(^^)。ただし、通常は大家さんも、値下げしてくるのを見込んで、高めの家賃で設定していることも多いですので(新築物件は値下げが難しいですが)、とりあえず不動産屋さんを信じて、口を出しすぎないようにしましょう。
以上、私が開業時に経験したことをまとめてみました。
どんな業種であれ、開業は大変です。
会社員時代は、自分の仕事だけをしていれば良かったのに、全部、自分でやらなければならなくなるからです。
ですが、逆に言えば、こんな経験(例えばオフィス物件を借りること)のできる人は、ほんの一握り。この経験は(税理士業に限って言えばですが)お客様に還元できるのではないでしょうか?
不動産をお持ちのお客様の悩みを、逆の立場(借主側)から経験し、その視点でアドバイスできるのですから。
現在は、法人の新規設立数が減少していますが、一度きりしかない人生。開業をお考えの方は、是非、頑張ってみてください!