先日、東京税理士会の荻窪支部で研修会の講師を務めました。
コロナ禍の中、 いろいろと注意することがあって大変でした。
※講演中の風景。
研修テーマの選び方
研修会講師の依頼を受けた場合は、まずは研修テーマを選ぶ必要があります。
今回は、研修部長様から「資産税関係で、テーマは先生にお任せします」ということでした。
こういう場合、その研修会を主宰する地域にあったテーマを選ぶ必要があるでしょう。
今回は税理士会荻窪支部様からの依頼ですが、荻窪の特徴を私なりに考えると、次のようなものになるでしょうか。
- 地主さんがまだまだ多い地域である(貸宅地や借地権も多い)
- 農地が宅地化された地域なので、測量がまだできてない土地が多くある
以上の内容を踏まえて、研修会のテーマを次のようにしてみました。
「地主・不動産オーナーで確認すべき実務上の留意事項~不動産資料の見方、特有の税務問題・手続を中心に~」
※研修テキストの表紙。なお、講演開始のときもお伝えしたのですが、税務の話は5割くらいにして、残りの5割を手続きや資料の見方の解説に充てることにしました。
研修レジュメを作るときに気をつけること
(1)条文の丸写しにならないようにする
私が研修レジュメを作成する際に気をつけていることがあります。
それは、「条文や通達を引用しすぎない」というものです。
条文・通達を引用すると、それだけでテキストが埋まりますから、作成はオリジナルの図表や文章を入れるよりも楽になります。
ですが、条文や通達が多すぎると、それを読むことに終始してしまい、単なる読書会にもなりかねません。
ですから、私の場合は、なるべく引用しすぎないように気をつけています。
(2)ボリュームが多すぎないようにする
今回の研修は、休憩時間を入れて3時間でした。
そうすると、
- 最初の講師紹介+自己紹介(約5分)
- 10分休憩×2回
以上を踏まえると、実質的な研修時間は2時間40分となります。
その時間内にピッタリと、研修レジュメのテーマを説明し終える必要があります。
ですが、時間オーバーして、最後の1割の内容を、
「最後はご自身で読んでおいて下さい」
ということで、終わる先生も多いと思います・・・。
※私も耳が痛いのですが・・・。
ですが、それですと、研修会にお越しになられた先生方も、ちょっとモヤモヤ感が残られると思います。
これには理由があります。講師は、
「もし、時間が余ったらどうしよう!」
ということを常に考えているわけです。
ですから、どうしても、研修レジュメに多くのテーマを盛り込んでしまうのです。
この対処法としては「捨てネタ」を作る、というものがあります。
要は、5分10で終わるネタを2つぐらい用意しておくのです。
そうすれば、最後に時間が余ったとしても、そのネタを疲労すれば充分対応できますよね。
※幸い、私は時間ピッタリに終わりましたので、捨てネタは使わずに済みました。
なお、研修レジュメができたら、締切ギリギリではなく、早めに主催者側に送るようにしましょう。
※主催者側でミスを発見した場合、研修レジュメを訂正する必要があるため。
研修会当日までに気をつけること
研修会当日まで、体調管理が大切です。
※研修会のお知らせ。当日は会場定員は30名、Zoom視聴(他支部)は100名まで可能でした。
研修会講師は替えがききません。絶対に休めないんです。
ですから、体調管理には万全を期す必要があります。
私の回りでは、講師がコロナになって、研修会が中止になったという話しは聞いたことがありませんが、そのような事態は避けなければなりません。
ですから、少なくとも10日くらい前から、会食等は避けなければならないでしょうね。
アウトプットをしてこそ定着する
研修会講師や 原稿執筆をお受けすると、そのテーマについて必死に調べ(インプット)、それを人前で話したり書いたりします(アウトプット)。
そのように勉強した知識は完全に自分のものとなり、貴重な財産となるでしょう。
ですから、税理士に限らず、そういうご依頼をいただいたのであれば、積極的にお受けすべきなんでしょうね。
私は約11年前に開業しましたが、開業前の自分を振り返ってみると、人前で話したり執筆したりなんて言うことは想像もできませんでした。
今、自分がそういう立場になっているのは、頂いたお仕事について、地道に調べ、愚直にやってきたからだと思います。
日々の積み重ねが、研修会講師や、執筆の依頼だったりするわけです。
私も今年で46歳になりました。
残された時間はもう短いと考えています(^^ )
一日一日を大切に過ごしていこうと思います。