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賃貸マンションの探し方

昨年の後半に長男が産まれ、子供が二人(長女・長男)となり、手狭となったため、自宅(賃貸)を引っ越すことにしました。

私は仕事がら、貸主側(地主様・不動産オーナー様)の視点で賃貸不動産を考えていましたが、今回、借主側(入居者側)で色々物件を探してみて、新たな発見がありました。

今回は東京での賃貸マンション探しについて考えてみたいと思います。


※賃貸マンションを内見中。

人気地区の賃貸物件は奪い合い状態となっている

賃貸物件を探す際は、まずは地元の不動産屋さんを訪問します。

ご存知の方もいると思うのですが、賃貸物件の多くはレインズという宅建業者だけが見ることのできるシステムに登録されています。
※レインズに登録されない場合もあります。

流れとしては、以下のようになります。

1.大家さんが、いつも取引している不動産屋に入居者募集を依頼する(いわゆる「元付け業者」)

2.元付け業者がレインズに掲載する

3.入居希望者が地元の不動産業屋(いわゆる「客付け業者」)を訪問する

4.客付け業者が、入居希望者にレインズの登録情報を紙に印刷して見せる

5.入居希望者が気になる物件の内見を希望する

6.客付け業者が元付け業者に「内見したいんすけど、いつがいいっすか~」などと電話する

7.気に入ったら、入居希望者が客付け業者を通じて元付け業者に申込みをする

8.数日後、審査結果(大家側・保証会社側の契約可否)が判明する

実際に探してみてわかったのですが、中央区や千代田区といった人気地区では、2LDK や3 LDKといった家族向け物件が、 奪い合い状態になっているのです。

そのため、「内見→申込」といった流れを無視して、とりあえず「申込→内見」といったことを行う入居希望者さんも数多くいらっしゃるそうです。

ですが、本来の順番を無視してますよね。賃貸の申し込みをしたら、普通はそれを取り消せないと思うじゃないですか。
※だからこそ、申込み前に内見をするわけです。

今回お願いした不動産会社の担当者様いわく
「中央区・千代田区のファミリー向け物件は、募集開始してから数日で契約が決まってしまうことも少なくありません。ただ、普通の方が内見できるのは土日や祝日に限られるじゃないですか。ですから、本来の順番とは異なりますが、平日に先に申し込みをして土日に内見する。もしイメージが違ったら申込みをキャンセルする。それが普通に行われてるんですよね。」
とのことでした。

具体的に説明しましょう。
レインズに掲載されてから2日~3日後に、大手サイト(SUMO)などに、物件情報が掲載されるのですが、大手サイトに掲載時点で、既に申込が入っている可能性があります。
というのも、朝に出社して、レインズ情報を見た不動産会社の担当者が、入居希望者に「こんな物件でましたけど!」とメールで流し、SUMO登録前に申込みをしてしまうのです。
ですから、SUMOを見て内見申込をすると、
「既に申込みが入っていて、2番手となります。1番手申込者がキャンセルすれば、申込みできますけど、それでも内見しますか?」
なんて言われたりします。
※2番手でも、先程の理由でキャンセルも多発しているので、十分にチャンスはあるのですが。

レインズは宅建業者でないと見ることができませんから、毎日の午前午後に、マメにレインズをチェックしてくださる不動産会社さんを探すと良いでしょう。

※不動産屋さんからもらった物件情報。

不動産屋さんは千差万別

賃貸物件を探す時は、希望物件の近くにある不動産屋さんを訪れるのがいいでしょう。

というのも、希望物件があった場合、その場で内見に行けるからです(大家さん側の事情で先になる場合もあり)。

私の場合、まずはインターネットで探して、ある不動産屋さんを訪ねました。

そこはイマドキの内装で、担当者様(30代半ばくらい)も今風の服装(ジャケットに裾短めのパンツ(^^ ))で登場。

希望の広さと家賃を伝えると

「う~ん、このあたりの相場だと〇〇円~〇〇円になるでしょうかね。なんでかといいますと、賃貸物件のオーナーさんは銀行借入をして賃貸物件を建てたり買ったりしているんです。ですから家賃を不用意に下げてしまうと、銀行さんから怒られちゃうんですよね。だから、この地域の家賃はあんまり下がらないんですよ。ですから石橋様も、〇〇円くらいの相場観で探していただければと思います」
※(ご本人認識はないんでしょうけど)ちょっと上目線で言われてしまいました(^^ )。

まあ、私も内心、言いたいことはありました。

「私は、まさにその大家さんのキャッシュフローを考える側の立場なんですよね~。大きいお客様(十数億円以上の借入)のお手伝いもしたこともありますし、銀行はそんな言い方しませんけどね~(^^ )。もうちょっと営業トークを磨いた方がいいんじゃないですかね~。私、宅建の試験も受かってるんですけど・・・」

ですが、 その気持ちはグッと抑えて、話を淡々と聞いていました。

後日、また別の不動産屋さんを訪れました。

そこの担当者様は、まじめな方で、事実(この不動産はここがいい悪い、家賃が相場よりも高い安い、ここが問題)を淡々と語ってくださり、私と妻にとってはとてもありがたい担当者様でした。

※一応、宅建の試験に受かっております(^^ )

令和4年時点での相場観(東京都中央区の場合)

今回私は、 中央区の物件を探していました。

中央区と言っても広いのですが、私が探していた地域については、希望物件(築年数がある程度経っているが、比較的きれいめの賃貸マンション)の相場感は、だいたい次のようなものでした。

まあ、中央区はどこも、めちゃ高いですよね(^^ )
家賃を払うために仕事をしているんじゃないか、みたいな錯覚に陥ります。

ちなみに、ある地主様に
「新しい賃貸マンションに引っ越そうと思うんですよね~」
とお伝えしたら、その地主様が、
「じゃあ、私の近所に引っ越してきなさい。土地(その地主様は多くの土地をお持ちです)、安く売ってあげるから。賃貸で払ってるだけだと、何も残らないでしょ!」
と、とても嬉しいお声がけを頂きました(^^ )
※ですが、ご近所に引っ越してしまうと、毎日のように相談されてしまうのです(^^ )

予算内で出来るだけ良い賃貸物件を探したい。
みんなそう考えて物件探しをしているわけですが、市場原理が働きますので、 安い物件にはそれなりの理由があります。

「お!3 LDKで、この間取りで、この築年数で、この家賃。これはお買い得ではないか」

担当者様に内見を申し込むと、ちょっと相手はテンション低めでした(^^ )

「この物件ですが、石橋さんが第一希望で出されてる物件よりは見劣りしますよ。確かに数字や間取りだけ見るといい感じに見えるのですが」

ですが、 私と妻はどうしても内見したいとお願いして内見させてもらいました。
そうすると、安い理由がわかりました。

この担当者様の素晴らしいところは、この地域の相場観や物件情報を知り尽くしてることです。
ですから、この物件が どれくらい人気があるのか(すぐに決まってしまいそうか)を瞬時に見極めてくださいます(^^ )

ですから、色々な意見して、 やっぱり第一希望の物件に申し込みをしました。

※眺めが良かった物件。良い目の保養になりました(諸条件により、この物件にはしませんでした)

内見するときに持っていくと良いもの

内見する時には最低限、 メジャー(巻尺)を持っていくべきでしょう。

※メジャーとレーザー計測器。相続税の土地評価をするときに使っているものを持っていきました。

特に最近のマンションは、ぎりぎりの間取りで水回りを設計しています。

これらの確認のために、メジャーを持っていくようにしましょう。

また、内見時に「携帯で動画撮っていいですか?」と聞くと、ほとんどの場合でOKをもらえますので、積極的に撮影して、比較検討できるようにしましょう。

その際の注意点としては「広角モード」と「通常モード」を使い分けることです。

私はiPhoneを使っていますが、洗濯機置き場にメジャーを置き、広角モードで撮影したところ、メジャーの数字が歪んでしまい、実際の数字と数センチ、ずれてしまいました。
※担当者様にお願いして、再度、 内見させていただきました。

ですから、撮影モードには注意する必要があるでしょう。

※洗濯機置き場を計測中。

どこを譲るかを決める

全てにおいて完璧な物件というのがありません。
※予算も限られるわけですから。

ですから、どこを譲るのか(妥協するのか)を考える必要があります。

私が考える妥協ポイント?は次のようなものになるでしょうか。

どこかを妥協しないと、永久に決まりません。

今回の担当者様曰く、

「なかには、探し始めて半年経っても決まらないという方もいらっしゃるんですよ。で、巡り巡って、最初に見た物件って、お買い得だったんだ。決めときゃよかった。となる方も多いんですよ」

とのことでした。

ですから、良い不動産屋さんと巡り会うことが、いい物件探しの第一歩と言えるでしょう。

ちなみに、 良い不動産屋さん探しというのは、とても難しいものです。
仕事柄、色々な不動産会社さんとお話しする機会がありましたが、 私が重視するポイントは次のようなものです。

ですから、複数の不動産やさんを巡ると良いかもしれませんね。

保証会社の審査も考える

最後に保証会社についても説明しましょう。

2020年に民法改正があり、連帯保証人の極度額などについて、新たな規定が追加されました。
その影響もあり、賃貸マンションについては、ほとんどが保証会社(家賃保証会社)をつけてくれと言われます。

この保証会社の審査は、次の点に注目して行なっているようです。

私が今回申し込みをした物件については、 保証会社の審査が厳しいようで、年収要件が足りていても、 落とされた事例が複数あるようです。

また、保証会社によっては、収入証明(源泉徴収票や確定申告書)の提出を求めることもあるそうです。

せっかく入居申込をしても、保証会社の審査に落とされると、かなりガックリですよね。

税理士という資格は、やはり信頼感があるのでしょうか。審査がすぐに通ったことを、お伝えしておきます(^^ )

テレワークに対応できる物件と、できない物件

私が契約した物件は、 他の物件と比較して1万円~2万円程度、安い物件でした。

なぜ安いのか。
それは、道路の騒音が(本当に若干ですが)するからです。
※マンションの近くに高速道路が走っていて、 その騒音が気になる方は気になるそうなんですよね。

不動産会社の担当者様が
「最近はご夫婦揃ってテレワークということも珍しくありません。テレワーク中に、ちょっとの音でも気になるという方も多いんですよね。ですから、高速道路が近いこの物件は、ちょっとお安くなっているんですね」
と説明されていました。

そんなに騒音が気になるのかと思って、休日だけでなく、平日も再度内見して確認しましたが、二重窓になってることもあり、体感的にほとんど騒音が気にならなかったです。
※深夜になると、気になるかもしれないですが(^^ )

ですから、テレワークをされている方は、

といったことも確認すると良いでしょう。

大家さん側の視点だけではなく、入居者側の視点に立って考える。
そうすると、 色々な問題が見えてきます。

この物件の入居申込者はなぜ少ないのか。
それは、自分が入居者の立場に立って考えていないということもあるかもしれません。
※特に地主様は、ずっと持ち家で、家を借りたことがない方も多いですから。

私も、今回の経験を生かして、地主・不動産オーナー様に、より良いアドバイスができるよう頑張りたいと思います。

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