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銀行担当者ごとに、違いはあるのか?

事務所の棚を整理していたら、以前、ある銀行とのやり取りを記録した「ファイル」が出てきました。数年前、お客様と一緒に、あるいは私一人で、色々な銀行担当者と面談したことが思い出されてきました。

銀行ごとに違いはあるのか?
銀行担当者ごとに違いはあるのか?

少し考えてみたいと思います。

※事務所内にて撮影。

銀行ごと、担当者ごとに違いはあるのか?

開業して6年半。
街の若手税理士のなかで、私は、銀行担当者と接触する機会が多かったと思います。
※お客様の融資だけでなく、不動産売買に伴う決済(銀行の会議室で行われます)といったことも多かったからです。

そのなかで、私が感じた銀行ごと、担当者ごとの印象を(勝手ですが)書いてみたいと思います。

大手メガバンクの担当者

銀行は統廃合を繰り返し、3大メガバンク(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行)に集約されました。
これら銀行の担当者に会うと、次のような印象を受けます。

大手メガバンクの、大口の融資先を扱っている部門に行きますと、立地がいいので、お客様や、個人でやっている税理士は圧倒されてしまいます。
※大手町や半蔵門といった、立地・景観ともに良いビルの上階の窓ガラスから景色を見ると、ちょっと圧倒されてしまいます。

そこで、ビシッとしたスーツで決めた銀行マンに接客されたら、お客様の方も、言いたいことも言えなくなってしまうかもしれません・・・。
※税理士が同行している場合、そこでフォローして差し上げるべきです。

そこで担当する方は、あくまで窓口となる「担当者」です。
新規融資をするのか?
現在の融資を継続するのか?
それを判断するのは、審査部という、別の部署の人間です。

現在の融資を継続してもらいたい。
そう思い、私の方も、
「これくらいの収入があるので、追加で返済しなくとも、返済予定表どおり返済すれば良いですよね?」

と言うと、担当者は、
「石橋先生~。これだと、私はOKだと思うんですが、審査の人間が納得しませんよ。最近、特に厳しくなってしまったんですよね。他のプラス事項はありませんか?あれば、それも加えて審査に上げますので」

といったやり取りが行われます。

銀行は、担当者が2年~3年ごとに変わります。
長期間継続している案件ですと、担当者が5人以上、変わることも珍しくありません。
そして、同じ案件なのに、担当者ごとによって、かなり温度差があるのが現状です。

例えばですが、次のようなことが起きます。
※ABCDとも、それぞれ別の案件です。

A担当者は、
「鈴木様(お客様の名前:仮名)の今後の返済が心配です!これからは、鈴木様だけでなく、石橋先生と私(銀行担当者)を含めた、チーム鈴木で頑張って行きましょう!」
とおっしゃいました。
「チーム**」なる言葉は、映画でしか聞いたことがありませんでしたが、言うは易く行うは難しといいます。
※結局は、お客様と私とで頑張ることになるのですが・・・。

B担当者は、対応、口調共に丁寧なのですが、細かな書類ミス等があり、その都度、追加で対応しなくてはならず、結構大変でした。

C担当者は、
「とにかく、今後の返済計画を、速く考えてください!当行の返済を、まず最初に考えてくれるように、お願いしますよ!」
かなり、強い口調で、こちらがしゃべる機会も与えられず、1時間半、しゃべるだけしゃべってお帰りになりました(>_<)
これには伏線があったんです。
銀行が融資をする際、担保にどれだけの価値があるか査定するのですが、それを自行でやらずに、外部の会社(といっても、その銀行の系列会社ですが)にお願いすることがあります。
その担保の査定額が間違っていたんですね。
それが、融資をしてから10年以上たってから発覚したので、担当者も大慌てになり、強い口調になりました・・・。
※私も、同じ立場であれば、相当焦って、同じく強い口調になってしまったかもしれません・・・。

D担当者は、
「この資料は、私が参考のために勝手に作った資料ですが、石橋先生にお見せします。今後の返済のための参考にしてみてください。現状ですと、繰り上げ返済も可能かもしれませんが、資金繰りもありますので、無理にはお薦め致しません。その辺りは、他行の預金残高をご存じのはずの石橋先生も、お客様と一緒にお考えください。」
とのことでした。

銀行員といえども、サラリーマンです。
頑張っても、給料は上がりません。
ですが、D担当者のような方もいらっしゃいます。
私が逆の立場であれば、そこまでしないかもしれません。
本当に、頭が下がりますし、また、ありがたくもありました。

総じて言えることは、大手メガバンクの担当者は、真摯であり、かつ、安売りしない(リスクの高い融資を低い金利で貸さない)ということが言えると思います。

メガバンク以外(信用金庫等)の担当者

地銀(地方銀行)や信用金庫の担当者について、私は次のような印象を持っています。

個人で税理士事務所を営んでおりますと、たまに地銀や、名刺交換した信用金庫担当者から、
「石橋先生~。資金繰りで困っている個人の方や、中小企業さんはいらっしゃいませんか?」
との、突然の営業電話がかかってくることが、ままあります。

また、別の案件ですが、メガバンク、信用金庫ともに借入があるお客様がいらっしゃいました。
現状では、メガバンク、信用金庫ともに、比較的高い金利(約2.5%)でした。
メガバンクに、
「この低金利時代、なんとか利率を2.0%以下にしてもらえませんか?」
とお願いしても、
「現状の資産状況、収益状況ですと、ちょっと難しいですよね~」
と、けんもほろろに断れてしまいました。

ですが、ある信用金庫の担当者に、
「なんとか利率を2.0%以下にしてもらえませんか?そうでなければ他行さんへの借り換えも検討しなくてはなりませんので~」
と伝えたところ、
「分かりました!そのようなお話しをされないでください。頑張ってみます!」
とのことで、利率が1.4%程度になりました(^_^)

このお客様、会社の資産状況があまりよろしくなく、メガバンクが言うことは、もっともだと思います。
メガバンク、信用金庫ともに、担保の状況は大きく変わらないのですが、このようなことも、結構あるんですね。

地銀や信用金庫(特に信用金庫ですが)は、融資先を探しており、しっかりとした不動産担保を持っていれば、かなりの低金利で借りることも可能だと思います。

私の個人的な印象ですが、地銀担当者よりも、信用金庫の担当者の方が、真面目、かつ、ぐいぐいと営業に来ないイメージがあります。
個人の資産家の方や、中小企業様は、信用金庫を上手に使うと、より低い利率で融資を受ける、借り換えをする、といったことが可能かもしれません。

私なりに、今までお会いした銀行マンの印象をまとめてみました。
はっきり言って、良い担当者に会えるか、会えないかは運次第なのですが、もし、良い担当者(親身に心配してくれる担当者)に出会えたのなら、そこが事業転換の考え時かもしれません。
借り換え、金利見直し、担保変更、担保一部解除といったように、色々と考え、相談することはあるはずです。
銀行融資がある方は、少し立ち止まって考えてみると、良いかもしれませんね。

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