開業するときの、コピー機の選び方について

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コピー機が必要な業種の方が開業する際、どのようなコピー機を選べば良いのでしょうか?
コピー機は高額ですから、慎重に選ぶ必要があります。
私自身、今まで3台のコピー機を利用してきました。
その経験をもとに、少し、考えてみたいと思います。

※私が現在使用しているコピー機

コピー機は慎重に選ぶべきです

現在のコピー機は、コピー機能だけでなく、色々な機能が付加されています。
(だから「複合機」なんて言い方をします)
コピー機は、数十万円しますから、開業時のお金がないときは、慎重に検討する必要があります。
コピー機の選び方について、考えてみました。

現在の複合機には、どのような機能が付いているのか?

業務用で販売されているコピー機(複合機)には、主に次のような機能が付いていると思います。

  • コピー機能
  • プリンター機能
  • スキャナー機能
  • ファックス機能

これらの機能にも、色々な差がありますので、解説していきたいと思います。

(1)コピー機能

コピー機能と一口に言っても、次のように分けることができます。

  • 印字品質
  • 印刷速度
  • ウォームアップ速度

印字品質は、文字だけ印刷するのであれば、はっきりいってどこのメーカーも、そんなに変わりません。
※ただし、デザイン系の仕事で独立されるのであれば、印字品質が高いとされているメーカー(キャノン、ゼロックス等)を選ぶべきでしょう。

弁護士業、税理士業といった、文書を大量に印刷する業種であれば、入力した結果をすぐに書面で確認したいですから、「印刷速度」と「ウォームアップ速度」は重要です。

印刷速度は、複合機メーカーのカタログに書いてありますので、そこを見ましょう。

富士ゼロックス様のカタログより

私は、富士ゼロックス様の複合機を利用しています。
※というのも、後でご説明するドキュワークス機能と連携しているからなんです。

どのコピー機メーカー様のカタログもそうなんですが、1秒当たりの印刷枚数が記載されています。
私は今まで、中古×2代、新品×1台の計3台のコピー機を購入して、使用してきました。
その経験からいいますと、印刷速度のスペックは、体感的には次のようになるかと思います。

  • 1分あたり20枚・・・ちょっと遅い
  • 1分あたり35枚・・・ちょうど良い感じ
  • 1分あたり50枚・・・ちょっと速すぎるかな?

1分当たり20枚ですと、仕事、作業に慣れてきて、どんどん印刷したいときには、少しイライラを感じます。

1分あたり35枚くらいですと、ちょうど良い感じです。

逆に、上記以上のスペック(1分あたり50枚以上)になりますと、コピー機の値段が跳ね上がりますので、個人の弁護士・税理士事務所、スモールオフィスの場合、1分あたり35枚くらいまでが、適正なんだと思います。
※私も、1分あたり35枚の機種を利用しています。

また、ウォームアップ速度も大切です。

ウォームアップ速度とは
「電源ボタンを入れて実際に印刷できるようになるまでの、機械の暖め時間」
というものです。
※コピー機では、熱でインクを紙に転写するので、ある程度の準備時間が必要になります。

この時間も、先程の印刷速度の数値と比例しています。
つまり、印刷速度が速ければ速いほど、ウォームアップ速度も短くなる傾向があるのです。

ですが、1枚当たり35枚程度の印刷スピードの機種を選ぶと、ウォームアップ速度も結構速いです。
ですので、あまり気にする必要はないのですが、どうしてもこだわるのであれば、メーカーごとの違い(老舗ブランドのものは、やはり速い傾向にあります)を気にして、選ばれるといいと思います。

(2)プリンター機能

最近のコピー機は、LAN(有線LAN・無線LAN)でパソコンとつなぎ、プリンターとして利用することができます。
(これは、皆さんもご存じだと思います。)

後は、そのコピー機ごに「縮小印刷」や「2in1(2枚を1枚に印刷する)」といった、細かな設定ができるものがあります。
また、「自動カラー設定」にしていても、白黒だけの文書なら、カウンター料金を白黒としてカウントしてくれるメーカーが良いと思います。
※現在、使っているゼロックス様は、ちゃんとそうしてくれますが、以前使っていた**メーカー様のものは、白黒でもカラーカウントされていて、ちょっと悲しくなりました・・・。
この辺りも、メーカーごとにできることが違いますので、チェックしてみてください。

(3)スキャナー機能

スキャナー機能とは、コピー機で読み込んだ文書を、パソコンデータ(PDF等)に変換してくれる機能です。

通常は、パソコンとコピー機をLANケーブルでつなぎ、コピー機で読み込んだデータがパソコンに転送されます。

最近、税理士業界で流行っている?のが、「ドキュワークス形式」によるデータ読み取りです。
※ドキュワークスとは、富士ゼロックス様が提唱しているデータ形式です。

ドキュワークス形式ですと、PDFよりもデータが軽く、かつ、1万円程度の専用ソフトで編集・上書きできますので、大変重宝します。
※税務署に提出する「届出書」も、ドキュワークスで編集すれば簡単です。

読み込んだデータを、最初からドキュワークス形式にしたければ、やはりゼロックス様のコピー機を選ぶのがベスト、ということになります。

ただし、ドキュワークス形式を使わない方であれば、PDF変換機能は、ほとんどのコピー機についていますので、ご安心ください。
※念のため、PDF自動変換機能がコピー機のスキャナーに備わっているか、確認してから購入してください。

(4)ファックス機能

何かのニュースで読んだのですが、先進国で、今だにファックス普及率がここまで高いのは、日本だけだそうです。
※とはいっても、海外でもまだファックスは現役です。最近、仕事の関係で、オーストラリアに国際電話でファックスを送りましたので・・・。

老舗の取引先様、年配の方とのやり取りでは、いまだにファックスも多いですから、ファックス機能は必須です。

最近のコピー機(複合機)には、もちろんファックス機能は付いていますので、あまり心配する必要はありません。

ですが、ここで問題にしたいのは「ファックスを紙以外の方法で受け取れるか?」ということです。

開業すると、どこで調べたのか分かりませんが、勝手に営業ファックスが送られてきます。
それも、相当な枚数です。
ファックス内容を紙でしか確認できませんと、わざわざ印刷して確認するので、紙・電気代の無駄になります。

ですので、ファックス内容をプリンター本体で確認できるか、またはPCにデータとして自動転送してくれる機能があると、大変便利です。

私の場合、ファックスを事務所内のPCに自動転送する設定となっています。
ただし、このままですと、ファックスが来たかこないか、分からないときがありますので、次のソフト(指定フォルダ内にファイルが追加されたか、定期的に確認してくれるソフト)を入れています。

「フォルダ監視」ソフトの作者様のページです。

ぜひ、ファックスを紙で印刷しない機能が付いている機種を、選んでください。

カラーか、モノクロか?

コピー機(複合機)で、カラーかモノクロか、迷われる方もいるでしょう。

これは必ず「カラー」でお願いします。

税理士業をされている方であれば分かりますが、税務申告書は白黒ではなく、カラーとなっています。ですので、カラーでないと申告書が印刷できません。

また、他の業種(弁護士業・デザイン業等)の方も、最近はプレゼン資料・説明資料をカラーで作成することが主流です。

また、先程のスキャナー機能も、モノクロですと、モノクロスキャンしかできないはずです。
※最近は、カラーでスキャンできる機種もあるそうですが。

本体価格で、モノクロ、カラーの差は、あまりありませんので、カラーを選ばれるようにお願いします。

新品か、中古か?

私の経験から振り返るに、最初は中古で良いと思います。
※ただし、最初から大量に印刷されることが見込まれている場合は、新品の方が良い場合もあります。
私は、1台目、2台目ともに、OAランドさんで買いました。

OAランドさんのホームページです。

カラーの中古コピー機ですと、15万円くらいから探せます。

中古と新品の違いですが、

  • 本体価格
  • カウンター料金
  • 保守体制

ということになります。

(1)本体価格

中古は15万円から探せますので、初期投資を抑えたい方にとっては、良いのではないでしょうか。

これに対して新品ですと、安めの機種でも40万円~60万円程度からとなりますので、お高めになります。
※ですが、最初から大量に印刷する予定の方は、次で説明するカウンター料金の関係で、最初から新品が良いかもしれません。

なお、新品コピー機の本体価格は、ネットでは公開されていません。
というのも、販売会社ごと、担当者ごとに、割引率が結構ちがうからなんです。
なので、本当に価格を知りたい場合は、実際に見積もりをとることになりますが、そうすると営業がしつこいので、ちょっと嫌だなぁ、ということになります(^^)

(2)カウンター料金はいくらか?

コピー機と普通の家電との違いは「カウンター料金」にあります。

※現在使用しているコピー機のカウンター集計画面より。

カウンター料金とは、要は「保守料金を使った枚数分だけ払う」ということです。ます。

コピーやプリンターとして、紙を印刷すると、
「白黒1枚*円、カラー1枚**円」といったように、保守会社にお金を取られます。
※ただし、原則としてスキャンしただけでは、カウンター料金はかかりません。あくまで印刷機能を使った場合のみです。

このカウンター料金。中古コピー機だと高く、新品だと安い傾向があります。

ですので、初期投資を抑えたい方で、かつ、あまり印刷しない予定の方は中古コピー機で。
逆に、初期投資のお金がある程度あり、かなり印刷する方は新品コピー機で、ということになります。

このカウンター料金ですが、ネットでは原則として公開されていません。
ですが、私が経験したカウンター料金ですと、概ね、つぎのようになるかと思います。

※コピー機の保守会社からの請求書より。

中古コピー機
・白黒1枚3円~5円
・カラー1枚20円~40円

新品コピー機
・白黒1枚1.6円~3.5円
・カラー1枚15円~25円

このあたりは、コピー機のメーカーごと、保守会社ごとによって、全然値段が違います。
また、交渉次第で減額交渉もできるかもしれません。
毎月のランニングコストも考えて、機種を決定しましょう。

また、上記には「最低料金」なるものが設定されています。
つまり、1枚も使わなくても、毎月2,000円かかる、といった性格のものです。
※ただし、2,000円には、通常、2,000円分のカウンター料金が含まれていますので、毎月2,000円分は印刷しないとソンということになります。

このあたりも考えて決定しましょう。

なお、カウンター料金は最初に設定したら、その後は原則として変更できません。
気をつけましょう!

(3)保守体制

中古と新品では、保守体制も違います。

中古ですと、原則として、その中古コピー機販売業者様の社員が保守点検に来ます。
新品ですと、そのコピー機メーカーさんの社員が、保守点検に来ます。

上記のカウンター料金を払っていれば、中古・新品とも、コピー機が多少故障しても、重大な故障でなければ、保守料金の範囲内で(カウンター料金の範囲内で)無料で修理を受けられます。

ですが、中古ですと、細かな保守部品が揃わず、修理依頼しても部品の取り寄せ待ちということで、修理が遅れることがあります。
これに対し、新品ですと、販売メーカーさんが保守担当なので、部品をすぐに用意して修理してくれる強みがあります。

私の場合は、この点からも、現在は新品のコピー機を使うようにしています。

長々と書いてきました。
たかがコピー機ですが、されどコピー機です。
良いコピー機ですと、業務効率が違います!
ですが、予算に限りがある方は、最初は中古コピー機でも良いと思います。
ぜひ、コピー機にも、こだわってみてください。

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