※某区役所の閉庁後の住民票取得窓口にて
相続税のお仕事の場合、区役所(市役所)に行く機会が多くなります。
というのも、その物件について、次のような調査をするからなんですね。
- 建築基準法42条2項道路
・・・いわゆるセットバックの有無 - 道路台帳で幅員確認
- 都市計画道路の有無
- 容積率境の確認
- その他もろもろ
これらの窓口は、全て別々です、は、それぞれ担当が違いますし、役所の人は、基本的に聞かれたこと、自分の取扱分野しか話しません。
私がこの業界に入った15年前くらいは、結構、冷たい対応をされました。
例えば、ある資料をもらいに**市役所に行ったときのお話しです。
その窓口の担当者は50歳くらいの方で、ヒゲをはやし、一見ダンディーに見えます。
私が、
「**という資料を頂けますか?」
とお願いすると、その方の虫の居所が悪かったせいか、前日に奥さんとケンカしたせいか、
(勝手な想像です(^_^))
「この資料は特別に行政サービスで出しているんですよ!と・く・べ・つ!それを分かってくださいね!」
と、やたら、特別サービス、特別サービスと言うんですね。
私も若かったので、
「でも、他の市役所さんでは、普通にもらえますし、普通のサービスだと思うんですが・・・」
とお話ししたところ、その担当者様は、
「じゃあ、あなたはこの市で税金を払っているんですか?税金を払っていないで、サービスを受けてるでしょ!文句いいなさんな!」
と、厳しい口調で言われてしまい、私もシュンとしてしまったことがあります。
※ですが、税金って、考えてみれば、ぐるぐる回っているんですよね。例え、その市で住民税をはらっていなくても、国の税金が特別地方交付税というかたちで、その市に投入されているので、私もその市に間接的に税金をはらっているのですが・・・。
「十年一昔」といいます。
最近、役所の人が、昔に比べてすごく親切になった。
そう思いませんか?
これには2つの理由があると思います。
1つは、インターネットの発達です。
この情報化社会。何か少しでも悪い対応をすれば、即座に文句を言われてしまいます。
※ 昔はクレームがあった場合、役所の「ご意見ポスト」に投函するくらいしか、なかったんですが。
もう1つは、優秀な人材が公務員になっているということです。
バブル崩壊後、景気減速が続き、安定志向が強まりました。
そして、本来、民間に行くはずの優秀な学生が、公務員を志望するようになり、それら優秀な方達が窓口を勤めているので、親切な対応になった。
そう考えることができます。
最近、社会保険のパンフレットをもらいに、何回か年金事務所(旧:社会保険事務所)に行きました。
すると、窓口の方が、全然、年金に詳しくないんですね。
聞いてみると、窓口の皆さんは、パート契約で働いているそうです。
※ とすると、奥に偉そうに座っている方は正社員?なのでしょうか。窓口をパートさんにやらせて、ご自分は普通に仕事している・・・。何かおかしくないでしょうか・・・?
私は思うのですが、役所の方が親切になるのは、とても良いことだと思います。
その分、行政サービスの質が上がり、我々も便利になるのですから。
ですが、優秀な人が真っ先に公務員を志望するという、この状況も、いかがなものかと思います。
優秀な方が民間経済を活性化し、それを役所が後押しする。
それが、本来のあるべき国の姿だと思うんですが・・・。
とはいっても、先日、閉庁間際(16時58分)の戸籍窓口に行き、嫌な顔一つせず、笑顔で難しい戸籍謄本を発行してくださった**様には感謝感謝でございます。
公務員の方が親切になった恩恵を、一番受けているのは、我々税理士かもしれませんね。